2011-11-07

DIY講座 プロのようにダボ処理するための5ポイント

カントリー家具やDIY木工で多用するダボ処理。 

上手にできますか?

サザンツリーのサイトで人気の記事なので、ここでも紹介しようと思います。


ダボは板と板を組む際に使われるダボ継ぎとか、ネジ穴を隠すため、棚板を乗せるため、フック代わりにと、いくつか使い方はあります。

ここではDIY木工で必須ともいえるネジ穴を隠すためのダボのきれいな処理の仕方をご紹介します。

方法はいたって単純で穴に同じ直径のダボを入れるだけですが、どうしても隙間があいてしまう、きれいじゃない……という方多いと思います。ベランダ木工時代、私がそうでした。これもほんの少しのコツです。ためしてみてください


穴あけ                         

まず最初にきれいな穴を開けないときれいな処理はできません。
ダボ処理の作業で一番重要なポイントです。

穴あけ(続き)                    



このような穴ではきれいな処理ができるはずがありません。一般的なドリル錐で切れ味も悪くはないのですがパイン材という柔らかい材料に回転数の低い電動ドリルで穴を開けるとこのようになります。電動ドリルは木工の場合、力は弱くても回転数の高いものを選ぶといいでしょう。このタイプの錐は穴が見えない貫通させる時だけに使用します。

穴あけ(続き)                    

ダボ処理の場合はこのタイプの錐を使用します。きれいな穴があくような構造になっています。先がネジ式になっているものと上の写真のようにネジではないものと2種類ありますがネジ式の場合材料にあった速度に関係なく錐が材料に入っていくのでネジ式ではない方を選んだほうがいいです。

ネジ式を購入した場合、ねじ山をやすりで落として使用してください。私の場合はまずダボ用の穴を開けた後にネジを入れる下穴を開けます。確実にセンターに下穴を開けるためです。

ネジの大きさはたくさんありますがネジの頭の部分がダボの穴よりも小さいものを選んでください。またはネジの皿よりも大きいダボ穴をあけてください。皿が穴のサイズと同じ場合はネジを入れる際に穴を傷つけてしまい、きれいな処理ができません。

ダボ                         

ダボはホームセンターなどで売られている丸棒を切って使います。しかしサイズにあったダボを探すのに苦労します。お店によって同じサイズの丸棒でも微妙に太さが違います。

ご自分が持っているダボ用の錐の穴のサイズよりも少し太いサイズの丸棒が必要です。数件のお店で同じサイズの丸棒を1本づつ買ってきて試してください。手で簡単に入るものでは細すぎます。

玄翁(かなづち)で叩いて軽く入るくらいがベストです。私の場合は丸棒を大量に仕入れるので、穴に丸棒を合わせるのではなく丸棒に合う穴が開くように錐をベルトサンダで削って調整します。

丸棒は適度な長さにカットします。長すぎてはもったいないのでダボ用の穴から少しでるくらいです。穴に入れるほうはダボ穴を傷つけないように上の写真のように少し削っておきます。

ダボを用意するのが大変、めんどくさい、という方はサザンツリーにお問い合わせください。8ミリのダボでよければ当方でご用意いたします。樹種はブナなのでホームセンターで売っているような安価な木材ではありません。

ダボ(続)                       

ダボの先端にボンドを少量つけます。写真のようにダボは手では入らないサイズです。

木口に近い部分でダボ処理する場合、あまりきつすぎると木が割れますので、木口に近い場合は手でピッタリと入る程度の固さがよいでしょう。

いずれにせよ材料にもよりますし、個人の感覚に左右されますので端材などで試してください。

ダボ(続)                       

ボンドは大量にはみ出るほど付ける必要はありません。

ダボ(続)                       


穴より少し太めのダボを入れているのに隙間が開く原因はプレスのように垂直にダボを入れることが出来ないからです。上の図のように(かなりオーバーなイメージですが)斜めになって入っていきます。その際指差している部分がへこんでしまいますので、それが隙間となってしまいます。

ダボ ボンド除去                  

木は凹んだ部分に水分を与えると元に戻ります。実際には元の状態よりも膨らみます。当然凹みの度合いや状態によって違いますが・・・。

この性質を生かした技術に「木殺し」というものがあります。技術というほどのことではないのですが、これを知っていると知らないでは製品の仕上がりに差が出ます。今回のダボでは木殺しではなく元に戻るという性質を生かすだけで、「木殺し」についてはまた別の項で紹介したいと思います。

話をダボに戻しますが、ダボを打ち込む際に勝手に木殺しされているという状況です。はみ出たボンドを水分を含んだブラシで取り除く際に凹んだ部分に水分が与えられ膨らんで隙間が埋まるという理屈です。

ダボ 処理  のこぎり編             


水分が乾燥したら、余分に飛び出ているダボを取り除きます。「あさりなし」というノコギリがホームセンターなどで入手できますので、これを使うととても簡単にきれいにカットできます。普通のノコギリですと上の写真のように使用すると木に当たっている部分に傷を付けてしまいますが「あさりなし」では横にはみ出した部分(これをあさりといいます)がないので傷がつきません。普通のノコギリで上のような使い方をする場合はノコギリの刃と板の間に、はがきのような紙などを挟んで傷防止とします。


ダボ 処理 トリマー編               






ダボの処理がたくさんある場合はノコギリでは時間がかかりすぎてしまいます。私の場合はトリマで行います。トリマのベースに下駄をはかせてビス止めしています。以前両面テープで止めて取り返しのつかない失敗をしたので・・・。ビットは横だけではなく下の面も削れるものであればなんでもいいです。ストレートビットでもいいです。下駄よりも、ほんの少し上げた状態でセットします。作業的にはかなり効率がいいのですが、ほんの少しでも下駄のベース部分が浮いてしまうと板の表面が掘れてしまうので慎重に。




ダボ 処理  ドレッサー編            






ほんの少し表面に出たダボを処理します。鉋を使えると簡単ですが最近は本職でも鉋を使わない人が多くいますので鉋以外の方法として、写真のようなドレッサーという道具を使います。



ベランダ木工時代から持っていた道具で、あると便利です。なければ板に両面テープでサンドペーパーを貼り付けてください。貼り付けなくても当て木だけでもいいです。


番手は最後にサンダーで仕上げるので180番でいいと思います。ここでのポイントはペーパーを当てるベースが硬いということです。当て木ではなく当てゴムや指だけで行うとダボの周りが削れてしまいます。ダボは木口なので板の表面よりも硬いので出来るだけ硬い面で削らないとやわらかい部分が多く削られてしまい、ダボ周辺が凸凹になってしまい美しく仕上がりません。



ダボ 処理 完了                    






処理をしたダボです。隙間は全くありません。最後に仕上げにサンダーを軽くかけて終了です。この項でのポイントは 「丸棒のサイズ」 と 「水」 です。

4 件のコメント:

  1. ウッドペッカー2011年11月7日 19:27

    うぅ・・・美しい!
    私がしたらダボ穴はこんなに奇麗にあきません。
    新品のドリルを使っても。また、あさりなしの
    鋸を使っても表面に傷がつきます。

    プロの技ってこんなに素晴らしいものなのですね。
    あぁ・・・精進しなくっちゃ・・・

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  2. ボール盤で穴を開けると綺麗にあきますが、手であける場合は自分がボール盤になったつもりで(笑)直角をキープすること、軸がブレないことに集中です。まれに新品の錐でもハズレがあります。削り屑の排出が悪いと屑が穴周辺を荒らすので綺麗に穴があかない場合があります。そのような場合はヤスリなどで錐を加工して改善させるか、もしダメならダボ用の錐から降格です。あさりなしの鋸のコツはただ材料にピッタリと鋸を当てるということのみです。ダボの目地がでないように切りたい、という気持ちから、ついつい鋸の背側が上がってしまい材料に傷をつけてしまいます。若干のダボの目地はペーパーでこすれば問題ありません。

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  3. ウッドペッカー2011年11月8日 14:26

    ダボ組うまく行きました!
    ドリルのネジ部をヤスリで落とし
    電気ドリルの回転数を上げたら
    奇麗に掘れました。

    でも、重要なポイントは
    「自分がボール盤になったつもり」という
    教え通り作業した結果まっすぐ穴があきました。
    名言だと思います。 感謝!

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  4. 穴あけうまくいったようで、なによりです。近々ドリルの錐をダボのちょうどいい大きさにサイズダウンする方法もアップいたしますね。

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