2013-01-12

食器棚 まだ完成しない!? 最後の棚板作ってます

いよいよ最終のお仕事。
棚板を作っています。

棚板はフラッシュ構造にいたします。
900mmの棚板が7枚、450mmの棚板が10枚
これら全てを無垢の板で作ると、これまたかなりの
重量になります。

本体だけでも相当な重量があり、食器も大量に
収納するわけですから、これ以上重くしたくありません。

というわけでフラッシュにしました。

では、フラッシュの説明をば。



フラッシュとは、板ではありません。
上の写真のように枠を組みます。

フラッシュの家具屋さんの場合、この枠にする木も
それ専用のものがありますので、切ってタッカーで
パチン、パチンと組むだけなので、一瞬ですが
サザンツリーの場合、フラッシュはほとんどしない
ので、枠にする木も製材しなければなりません。
それだけでもかなりの時間がかかりました・・・。


組んだ枠にボンドを塗って上の写真のような薄い板で
サンドイッチにします。
今回貼るのは、カバ材の突き板。

仕上がると、見た目は板ですが、実は板ではなく中身
はこのように空洞になっています。

言わば、なんちゃっての板ということになります。

今回このようなフラッシュにするのは棚板だけですが
市販の量産されている安価な家具は本体も全て
このフラッシュ構造で作られます。
だから安くて軽いのです。

多くの無垢の家具屋はこのようなフラッシュの家具を
嫌います。フラッシュ構造の家具など、家具じゃない!
という勢いで。

もちろん無垢材を使った家具は、材だけでもかなりの
量となり、材料費も相当にかかります。

無垢材、特にオイルフィニッシュ仕上げにすると、材は
生き続けます。生きるということは、季節によって伸びたり
縮んだりするということです。
そのため、夏に伸びて冬に縮んでも、どこにも歪みが
生じて故障しないような加工をしなければなりません。

それらの加工はほとんど見えない部分の加工となり
ますが、その部分に最も頭を使い、時間をかけます。

頭を使い、時間をかけて作った無垢の家具は世代を
超えて使っていただけます。

そのような家具を作っている職人が、なんちゃっての
板でできたフラッシュ構造の家具を嫌うのも、気持ちは
わかります。

しかし、適材適所、フラッシュを無垢の家具に取り入れる
のも悪くはないと、私は思います。

しかし、サザンツリーは無垢の家具屋。
本体をフラッシュにするということは、今のところ考えて
おらず、棚板やR加工の特殊な扉などのみフラッシュでも
よいかと思います。

将来的にブランドを変えてフラッシュのおしゃれな家具
を作ってもよいのかな、と思っています。
ブラックウォールナットの家具を無垢で作ろうと思ったら
かなりの金額になってしまいますが、それがフラッシュ
だったら、見た目はブラックウォールナットですが安価で
提供できます。

無垢の家具屋がフラッシュに手を出すと、魂を売るとか
手を汚す、などと言われますが、反対に無垢屋が作る
フラッシュはとても綺麗だとも言われます。

やるやると言って、できないのがサザンツリー・・・
しばらくは、いや、ずっと無垢の家具屋なのでしょうね。
からだは1つしかないので・・・。

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